ボートを揺するのはよそう。

言葉

このことは黙っていよう。夏の日々はそのまま気怠くやり過ごせばいい。ボートを揺するのはよそう。

『グレート・ギャツビーを追え』(ジョン・グリシャム 訳:村上春樹)p.350

訳者としての村上春樹の筆致で魅力も増しているのだろうけれど、後半になるにつれ、物語が終わりに近づいているのが残念で、読む速度を落としたほど、描かれる作家たちのコミュニティやマーサの冒険は魅力的。

残念なのはそのマーサを読み手として愛しく想い始めた途端、ブルースが主人公に躍り出てくるような展開。犯罪が描かれる小説では非日常な犯罪をこちら読み手が飲み込み、感情移入できるような描き方が必要に思うが、そこを見事に外すので釈然としないまま本書を閉じました。

原題は舞台になったカミーノ半島を冠した『Caminon Island』。それを『グレート・ギャツビーを…』と翻訳した村上氏をはじめとする編集者のセンスの良さが本書の愉しみ?

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