涙で救えるのは自分だけだよ

泣いたってしょうがない。涙で救えるのは自分だけだよ。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

続くシンジのセリフは「だから、もう泣かないよ。」

父との対話を終え、現れたカヲルに泣かないのかい?と聞かれたシンジはそう返す。

シンジに訪れた変化を端的に示すセリフではないでしょうか。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が描こうとしていたテーマの到達点がここにあり、これを境にアスカやカヲル、レイとのエンディングが描かれていったのだと思いました。

劇場版:||はセリフが刺さる

sea dawn sunset beach
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新劇場版シリーズを本作を除いてAmazonプライムビデオでしか観ていない程度の自分がエヴァンゲリオンを語る資格はないのでしょうが、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」はセリフの一言ひとことが重く心に残るものでした。

それはセリフに魂を乗せた、名声優のみなさんの気迫によるものだったのかもしれませんし、決着をつけるために練りに練られたシナリオのなす技だったのかもしれません。

同時に、前作との大きな違いが本作のセリフに現れているように思われました。その違いがシン・エヴァンゲリオン劇場版:||の名言として心に響いたのです。

これまでにない段階に進んだ劇場版:||

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これはテレビシリーズ、劇場版、そして、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」以前の新劇場版では描かれなかった地平に達した本作だからこそのセリフだったと思うのです。

エヴァンゲリオンは魂について描かれたもののようで、SFでありながらもセリフ劇のような趣も感じていました。また、絵が主人公であり、同じくらいにセリフも主人公のように感じました。

そんなセリフに重きを置いた作品の新局面で飛び出すセリフはどれも鮮烈で力強いものでした。とりわけ、シンジのこのセリフは展開を印象づける大きなものでした。

これまでの「逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ」のような感情を説明するように絞り出されるシンジを端的に表す印象的なセリフでなく、考えた上であり、普遍的で相手に伝わる、純粋に名言といえる言葉「涙で救えるのは自分だけ」がシンジの口から語られたのです。こうしたセリフがストーリー転換点に置かれたのは、やはりこれまでの文法では描ききれない新しい面、成長した先を描くには欠かせなかったのではないでしょうか。

エヴァンゲリオン名言が生まれた背景

sea waves crashing on shore
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エヴァンゲリオンは成長途上の姿を描いた物語だったことで共感を産んだと同時に、成長を描いたゆえに、続けた先では成長後の物語描くことが暗黙のうちに決定づけられていました。それが本作であり、成長した大人の世界はなんとなくの感覚世界でなく、自分というものと他人を明確に意識して切り開かれるものであり、描くには共通理解できる言葉が求められのではないでしょうか。それは印象的なだけでなく、普遍性のある名言です。こうしてエヴァンゲリオンの名言が紡ぎだされたのではないかと考えます。

父との対話を通じ、自分を得たシンジは、ひとりの人間として、自分に責任を持ち言葉を発する。それが「涙で救えるのは自分だけだよ」というセリフなのではないかと思います。

エヴァンゲリオン公式サイト
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